2015年05月04日

原子力発電推進あるいは許容(原発再稼働)の心理と論理

 地震がほとんどないような国や地域においては,原子力発電は有力なエネルギー確保手段であろうが,自然災害(特に大地震)が多い日本のような国においては、大変リスキーなものとなっている。それでも,政財界で現在権力をもっている人達は,原子力は重要なベース電源であり,「世界一の安全基準」のもと、今後も維持していく必要があるとしている。

 しかし,この主張も,福島で起こったことがほかの原発で再度起こり、多数の死者や被害者がでた場合には、原発を擁護した(再開させた)政治家や財界人(電力会社のトップ及び直接の責任者)は死刑または無期懲役になる、ということであれば、そこまで言うのであればと、譲歩する用意はある。しかし,そのような事態が起こったとしても,せいぜい政治の世界から引退したり、役職をしりぞくだけであるならば,つまり厳しい責任をとらないというのであれば、無責任というよりないだろう


 現在,日本政府は,原発を日本のエネルギーのベース電源として位置づけ,自然エネルギー(22〜24%くらい)に続いて2番目の主要電源(20〜22%くらいを確保)としている(その心は,22%として同等としたいが、それでも国民の非難が沸き起こるかもしれないので,形だけ自然エネルギー優位にしている?)。

 しかし,個々の原発の再開においては,政府が再開を押し付けたと言われるとこまるので,原子力規制委員会の「厳しい」安全審査のもとに,電力会社が自発的(表向きは国民に安価な電力を供給するため)に停止中の原発の再開させる、という姿勢(=たてまえ)をとっている。ところが,電力会社としては、「国からの要請(国策に協力」ということを全面に押し出しており、事故が起こった場合も国からの全面的な支援や救済を期待している。現政府や原発企業は、「世界一の安全基準」のもとに原子力規制委員会の審査をパスできたのであれば、もしも大地震が起こり大事故が起こったとしても「想定外」として扱うことができると内心考えている。 つまり,原発企業も、国も、原子力規制委員会も、いずれも再び大事故が起こったとしても、自分には第一の責任がないか、あるいは三者の共同責任にすることができると踏んでいる。「国が全面的にバックアップ」するといっても、「国民の血税を使います」、と言っているだけであり,結局は国民全体が責任を引き受けるということにすぎない。


 できるだけ自分の方に「実質的な」責任が及んでこないように,言葉を選んでいるが,原発による大事故が起こり、多くの死者がでた場合には、原発を再開させるのに力を注いた政治家や企業経営者(日頃記録にとどめておきましょう。)は終身刑や無期懲役も十分ありうるということがなく,結局は役職を去るだけ(あるいは政治の世界から引退)ということだけであるならば、誰もまともに向き合うことはないだろう

 長い間刑務所にはいるといった,厳しい実刑が担保されないかぎり,今後も、無責任な言動しかしないだろう。

 今後、どこで大きな地震が起こるとも限らない(遠い昔に,川内原発のあるところまで、火砕流が流れた跡があると言われれいる。)日本において原発を維持することは無理であり,「国民に安価な電源を確保するため」,と言い続けるだけの政治家や企業経営者は「不道徳」だと言わざるをえないだろう。

 最後に、気になることを少し列挙しておきます。


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・地表に断層が現れていなくても,地下10〜15kmのところに断層があり、それが動くということもあるということ(淡路‥阪神大震災における淡路島の断層?)

・過去200年くらい大きな地震が起こっていない(=実際は記録がないだけ)からと言って安心できないこと。1万年前は中国大陸と日本はつながっており、日本海は大きな湖であったこと、また日本列島全体が東に向かって移動しつつあり,それだけの巨大な力が働いていること。日本列島全体が現在火山活動期に入っているらしいこと(京大の鎌田教授の証言)

テロによって,運転中の原発が破壊されることもありうること。広島型の原爆であれば、個人がバズーカで発射できるくらいになっていること。いや核兵器などをもちださなくても、強力な爆弾をつんだ小型ロケット(or高性能のドローン!?)をテロリストが原発に打ち込むことはそれほど難しくなさそうである

原発維持のかくれた(第一の)目的は防衛のためであり,日本のエネルギー源確保ではなく、原発で生み出される使用済核燃料によって、プルトニュームを確保して、いつでも核兵器をつくれるようにしておくことかもしれない。


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ラッセル=アインシュタイン宣言


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posted by russellian-j at 16:11| Comment(0) | 原子力発電

2015年05月03日

外山滋比古-人物と著作−(試験投稿1)

 (使用開始したばかりですので,お試し投稿その1です。)

 外山滋比古(とやま・しげひこ,1923〜 )氏は,現在92歳ですが,現在でも毎年多くのエッセイ集をだし続けておられます。外山氏は,一般には,100万冊以上売り上げているベストセラー本『思考の整理学』(ちくま文庫)で知られています。私は,40〜50年前だったか,外山氏が英文学者であるにもかかわらず,日本語に関する評論で活躍していた頃のことを覚えています。
 最近出されている本は,年齢のせいか,軽めのエッセイが多く,内容もけっこう重複しているものがありますが、それでも「読ませる」文章ですので,私も引き続き愛読しています。10冊以上は読んでいるはずです。
 一番読み応えがあるのは,評判どおり『思考の整理学』であり,「東大・京大で一番読まれている」というのが宣伝文句にもなっています。
 外山氏は,もともとは筑波大学の前身である東京教育大学(旧東京文理科大学)の英文学の教師をされていましたが,確か,筑波に移転がきまり,田舎の筑波にいきたくないということで,お茶ノ水女子大学の教員に転出されています。途中で学部長の話があったが,自由にものが言えなくなるのはいやだ,ということで固辞されたそうです。
 定年退職後は,エッセイなどを書きながら,悠々自適に暮らされています。エッセイはとにかく読みやすく,なかなかするどいことをいろいろ書かれており,また,各地で開催される講演会も盛況のようです。
 推薦できる本はいろいろあります。(ただし、記述が多少の重複していますので,そういった箇所は「速読」すれば,どの本もきっと何か気に入ることを発見できるのではないかと思われます。)
 以下,私が読んでみて良かった本を(順不同で)列挙しておきます。

『思考の整理学』 (ちくま文庫,1986年4月)
『読みの生理学』(ちくま文庫,2007年/講談社から1981年に出された『読書の方法』を加筆・修正したもの)
『国語は好きですか』
 (大修館書店,2014年6月)
元気の源 五体の散歩』(祥伝社,2014年8月)
『知的創造のヒント』(講談社,1977年11月/ちくま学芸文庫、2008年10月)
『ことわざの論理』(中央公論社,1981年10月/中公新書631)
『ことばのある暮らし』(中公文庫,1988年7月)

 
posted by russellian-j at 16:15| Comment(0) | 本と読書